音楽と文学の対位法 (中公文庫)
価格: 960円 レビュー評価:5.0 レビュー数:1
モーツアルトと書いてあればなんでも読むという「モーツァルト病」の私としては書店で見てすぐに買った。そして、第1章「モーツァルト カメレオンの音楽」を読み、同じような論旨の本を読んだなあと思った。よく考えてみると、岡田暁生『恋愛哲学者モーツァルト』(新潮選書)だった。しかし、青柳さんの本の方が先だった(2006年9月,みすず書房)。論じ方は違うものの、モーツァルトの音楽の本質をついていることは共通だった。ロマン主義の悲劇だいいちの感情に対して、ロココ趣味のモーツァルトには「なんちゃって」精神というようなものがあったと思う。まじめな話を真剣にした後で、「なんちゃって」と付け加えてしまうようなサ